飲食店でLINE注文を導入する手順と費用
この記事の要点
- 初期費用は0円〜18万円程度で、席ごとの専用端末代を抑えて導入可能
- 注文と同時にLINE公式の友だちが増え、退店後のリピート施策につながる
- QRの配席ミス対策と紙メニューの併用を準備してトラブルを防ぐ
飲食店でLINEを活用して注文を受ける仕組みは、顧客自身のスマートフォンでQRコードを読み取ってもらい、LINE公式アカウントや連動ミニアプリ上でメニュー選択から注文までを完了させるシステムです。専用端末の購入費用を抑えつつ、注文業務の効率化と友だち追加によるリピーター施策を同時に実現できる特徴があります。
飲食店のLINE注文とはどのような仕組みか
飲食店のLINE注文は、主に「テーブルオーダー(店内飲食)」と「モバイルオーダー(テイクアウト・事前決済)」の2つの用途で利用されています。
店内飲食の場合、各座席に設置した専用のQRコードを顧客がスマートフォンで読み取ります。読み取ると自動的にお店のLINE公式アカウントが開き、友だち追加または認証画面を経て、Web上の注文画面が表示されます。顧客が画面上で料理やドリンクを選んで送信ボタンを押すと、厨房のキッチンプリンターや専用端末に伝票が出力される流れです。
テイクアウトの場合も基本は同様で、事前に自宅や職場からLINE上でメニューを選び、受取時間と決済方法を指定して注文します。電話対応による聞き間違いやピーク時の電話離脱を防ぐ手段として利用が広がっています。
導入にかかる費用とシステム構成
LINEで注文を受ける仕組みを作るには、LINE公式アカウントの契約に加えて、外部のモバイルオーダー連携サービスを契約するのが一般的です。
初期費用と月額利用料の幅
導入にかかる費用は、利用するサービスや店舗の席数・規模によって異なります。
- 初期導入費用:0円〜100,000円程度(キッチンプリンターや専用レシート端末の購入が必要な場合は、機器代として別途30,000円〜80,000円程度が加算されます)
- 月額システム利用料:0円〜30,000円程度(注文数に応じた従量課金制や、売上の数パーセントを手数料として支払うプランもあります)
- LINE公式アカウント費用:月額0円〜15,000円(友だち数や月間のメッセージ配信数に応じてプランが分かれます)
機材費を抑えるために、既存のPOSレジやキッチンプリンターと連携可能なサービスを選ぶか、汎用的なタブレット端末1台で通知を受け取る簡易プランを選ぶかによって初期投資の幅が変わります。資金調達や設備投資の計画を立てる際は、日本政策金融公庫などの融資制度や各種補助金の対象になるか確認することをおすすめします。
参考:日本政策金融公庫

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無料で記事を作る →LINEで注文を受ける4つのメリット
従来の専用タッチパネル端末や紙の伝票と比較して、LINEを活用するメリットは大きく4点あります。
1. 専用端末の導入コストと故障リスクを削減できる
席ごとに高価なタブレット端末を常設する必要がないため、初期機器費用を低く抑えられます。端末の落下破損やバッテリー劣化、水濡れといった故障対応に悩まされる頻度も減ります。
2. オーダー伺いの往復と聞き間違いが減る
ホールスタッフが注文を聞きに行き、ハンディ端末に打ち直す手間がなくなります。ピーク時に「すいません」と声をかけられてもすぐに対応できない状況が減り、提供や片付け、清掃作業に集中できます。
3. 自然な流れでLINE公式アカウントの友だちが増える
注文のプロセスでお店のLINE公式アカウントと連携するため、席で紙のPOPを見せて「友だち登録してください」と案内するよりも、はるかに高い確率で友だち追加につながります。集客のための会員リストが日々の注文を通じて蓄積されます。
4. 顧客名・地域名の検索から来店した層を再来店へつなげられる
全国の飲食店所在地データ(自治体の公開情報)をもとに地域名や業態で検索し、初めて来店した顧客に対して、退店後もメッセージを届ける導線ができます。次回使えるクーポンや季節のメニュー案内を届けることで、一過性の来店で終わらせない仕組みが整います。
導入時によくある3つの失敗例と対策
注文業務をデジタル化する際には、運用面での落とし穴も存在します。導入後に慌てないための典型的な失敗例と対策を確認しておきましょう。
1. テーブルごとのQRコード取り違えによる誤配
卓上のQRコードには「どの席からの注文か」を判別する情報が含まれています。清掃時やレイアウト変更時に三角POPやラミネートシートを戻す席を間違えると、A席の料理がB席の伝票として出力される事故が起きます。
対策として、POPの裏面や台座に目立たない形で卓番号を大きく明記し、毎日の開店前点検で番号と設置場所が一致しているか確認するルールを徹底します。
2. 店内の通信環境が不安定で注文が通らない
顧客自身のスマートフォン回線を利用するため、地下店舗や奥まった席で電波が弱い場合、注文画面が開かないトラブルが発生します。
対策として、注文用のフリーWi-Fiを店内に設置し、QRコードのPOPにWi-FiのSSIDとパスワードを併記しておく配慮が必要です。
3. スマートフォン操作が不慣れな層への対応不足
シニア層やスマートフォンの充電が切れている顧客に対して「LINE以外では注文できません」と硬直した案内をしてしまうと、顧客満足度が著しく低下します。
対策として、紙のメニューブックと従来のスタッフ呼び出しベル、あるいは口頭注文を受ける運用を必ず併用できるように残しておくことが重要です。
導入に向けた5つの手順
LINE注文を始める際の実務手順は以下の通りです。
ステップ1:注文運用の範囲を決める
まずは「店内飲食の追加ドリンク・料理のみ」とするのか、「テイクアウトの事前予約」から始めるのかを決めます。ホールスタッフの負担が大きい部分から小さく試すのがスムーズです。
ステップ2:連携サービスを選定して契約する
キッチンプリンター連携の有無、月額固定費か手数料制か、テイクアウト事前決済の対応状況を比較してサービスを選定します。利用中のPOSレジがある場合は、連動可能なシステムを選ぶと二重打ちの手間が省けます。
ステップ3:メニュー登録とテスト印刷を行う
商品名、価格、トッピング選択(アレルギー表記やサイズ指定など)を管理画面に登録します。登録完了後、スタッフ私物の端末から実際にテスト注文を行い、キッチンプリンターの印字が崩れていないか、通知音が適切に聞こえるかを確認します。
ステップ4:卓上POPの作成と案内マニュアルの準備
QRコードを印刷した卓上POPを作成します。あわせて、スタッフ向けに「最初のご案内方法(お席のQRコードから簡単にご注文いただけます)」や「操作が難しいと言われたときの代替対応マニュアル」を共有します。
ステップ5:Googleビジネスプロフィールや店頭で告知する
テイクアウトのLINE注文を導入した場合は、Googleビジネスプロフィールの「事前注文リンク」にURLを設定し、地域名で検索された際に直接注文画面へ誘導できるように設定します。店頭の看板やポスターにも注文用リンクを案内し、認知を広げます。
まとめ
飲食店のLINE注文は、人手不足の解消とリピーター獲得を同時に進められる有効な手段です。まずは無料プランやお試し期間のあるサービスを活用し、一部の席やテイクアウトから段階的に導入を進めてみてください。なお、決済機能の導入に伴う手数料の経理処理や税務上の取り扱いについては、最寄りの税務署または顧問税理士などの専門家にご確認ください。
参考:国税庁
よくある質問
- Q. お客様がLINEアプリを使っていない場合でも注文できますか?
- A. LINEを利用していない方や操作が難しい方向けに、従来の紙メニューを用意して口頭注文を受けられるオペレーションを残しておく必要があります。また、LINE不要でブラウザから直接開けるモバイルオーダーサービスを選ぶ方法もあります。
- Q. キッチンプリンターがなくてもLINE注文は導入できますか?
- A. 管理画面を表示したタブレット端末を厨房に1台設置し、注文通知音と画面確認だけで運用できるサービスもあります。ただし、混雑時の調理漏れを防ぐためには、注文伝票が紙で出力されるプリンターの導入が推奨されます。
- Q. テイクアウトの事前決済ではどのような支払い方法が使えますか?
- A. 主にクレジットカード決済、PayPayやLINE PayなどのQRコード決済が利用されます。利用するモバイルオーダーシステムによって対応している決済事業者が異なるため、事前確認が必要です。
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